毎日の生活で欠かせない洗剤。掃除や洗濯といった目的別に販売されていますが、商品を選ぶ際に重視するポイントは「汚れを簡単に落とせるか」ではないでしょうか。
洗剤の液性は「酸性」「中性」「アルカリ性」の3種類ありますが、ご家庭の頑固な汚れを最も効率的に落とすことができるのは、アルカリ性洗剤です。
そこで今回は、様々な箇所に発生する頑固な汚れにアプローチできる、アルカリ性洗剤についてご紹介します。酸性洗剤、中性洗剤との違いや、おすすめの洗剤についても解説しますので、併せて参考にしてください。
酸性/中性/アルカリ性洗剤の違いとは?
冒頭でご説明した3種類の液性は、pH(水溶液に含まれる水素イオンの濃度)によって決まります。
pHは0〜14の数値で表されます。中性の液体のpH値7を基準として、7より小さいほど酸性が強く、7より大きいほどアルカリ性が強いことを示します。
アルカリ性洗剤
アルカリ性洗剤はぬるっとした触り心地のものが多く、油汚れなどの酸性汚れを落とすのに適しています。具体的には、以下のような汚れが挙げられます。
- 油汚れ
- 皮脂汚れ
- たばこのヤニ
- 垢
- ぬめり
- カビ
- 血液汚れ
また、家の汚れの8割が酸性汚れだと言われています。高濃度のアルカリ性洗剤を使うと、ガスコンロにこびりついた頑固な油汚れや排水溝のぬめりなどをしっかり落とすことができます。
酸性洗剤
酸性汚れは、下記のようなアルカリ性の汚れを落とすことに適しています。
- 水垢
- 尿石
- 石鹸カス
- サビ
トイレや風呂に発生する汚れの多くは、アルカリ性であることがわかります。そのため、トイレや風呂の掃除に特化した洗剤は、酸性のものが多いです。
また、酸性の洗剤の中には、トイレで発生するアンモニア臭のようなアルカリ性の臭いを消す効果があるものもあります。
中性洗剤
中性洗剤は、酸性とアルカリ性両方の汚れに使うことができ、手肌に優しいです。掃除する箇所を傷める心配も少なく、場所を選ばす使用することができます。
しかし、洗浄力は比較的穏やかであり、長期間放置されたような、頑固な汚れを落とすのは難しい場合があります。
おすすめのアルカリ性洗剤5選
ここからは、頑固な汚れも綺麗に落とすことができるおすすめのアルカリ性洗剤をご紹介していきます。
マジックリン ハンディスプレー
花王株式会社が販売するマジックリン ハンディ―スプレーは、台所用の洗剤です。アルカリ剤や界面活性剤が含まれており、コンロやグリル、換気扇の油汚れを浮かせて分解します。また、除菌やウイルス除去の効果もあります。
スプレーすると泡が出るため、吹きかけてそのまま浸け置きするだけで、汚れを除去することが可能です。短時間で手軽に頑固な汚れを落とすことができる、便利な洗剤だと言えます。
KING WATER
KING WATERは、弊社が販売している高濃度のアルカリ性洗剤です。飲食店や工場でも使用されているほど洗浄力が強く、油汚れや皮脂汚れ、食べ残しなどあらゆるタンパク質汚れの除去を得意としています。家中の汚れを1本で落とすことができる優れ物です。
また、泡が出ないため二度拭きが不要で、同時に除菌や消臭もすることができます。排水がきれいで、環境に優しいことも大きな特徴です。
引用:KING WATER
水の【激落ちくん】
こちらは、水を電気分解したアルカリ電解水100%の洗剤です。アルカリ成分の力で汚れを分解して落とします。界面活性剤を使用しておらず、除菌、消臭効果もあるため、赤ちゃんのおもちゃやペット用品への使用もおすすめです。
2度拭きが不要なスプレータイプだけでなく、シートタイプも取り扱っているため、用途に合わせて使い分けることができます。
引用:水の【激落ちくん】
シャボン玉重曹
重曹もアルカリ性洗剤の一種です。粉末をスプーンで振りかけたり、重曹水を作ってスプレーしたりするだけでなく、粉末を水で湿らせてペースト状にし、研磨剤として利用することもできます。
重曹の研磨剤は、鍋の焦げ付きやコンロの五徳にこびりついた汚れを落とすのに役立ちます。また、消臭効果があるため、冷蔵庫や魚焼きグリルの消臭にも効果的です。
引用:シャボン玉重曹
魔法の強アルカリイオン電解水クリーナー
水の電気分解でできた、アルカリイオン水を主成分としています。薬剤が含まれておらず、野菜などの食品にも使用することが可能です。ただし、洗浄後は流水で数秒洗い流してください。
気になる箇所にスプレーし、サッと一拭きするだけでアルカリイオンが頑固な汚れを落としてくれます。そのため、比較的手軽に使える洗剤だと言えます。また、除菌、消臭効果があるだけでなく、静電気や帯電を防止することも可能です。
引用:Yahoo!ショッピング:魔法の強アルカリイオン電解水クリーナー
NEOオイルバスタ―
こちらは、油汚れに特化したアルカリ性洗剤です。水酸化ナトリウム、水酸化カリウムという2つの強力なアルカリ剤の力で、飲食店の厨房で見られるような頑固な油汚れもしっかり落とせるのが大きな特徴です。
泡持ちがよく、シンクや厨房の壁に吹きかけても汚れを長時間包みこみ、浸透、分解してくれます。また、従来のオイルバスターに比べて、洗浄力が格段にアップしています。
引用:NEOオイルバスタ―
アリエール
アリエールは、洗濯用洗剤として高い効果を発揮するアルカリ性洗剤です。粉末や液体、ジェルボールというようにバリエーションが豊富で、用途に応じて使い分けることができます。
洗浄効果はもちろんですが、除菌、消臭効果も高く、部屋干し中に抗菌できることも強みだと言えます。また、洗濯槽の防カビ効果もあるため、洗濯槽クリーナーがなくてもカビ対策をすることが可能です。
引用:アリエール
カビキラー
浴室にこびりつく黒カビは酸性の汚れであり、アルカリ性洗剤で落とす必要があります。カビキラーは、次亜塩素酸塩、水酸化ナトリウム、界面活性剤の3つを主成分とし、独自の浸透成分を配合しています。そのため、カビの根まで確実にアプローチすることができます。
また、黒カビの発生を予防する効果もあるため、普段カビがよく生える箇所にあらかじめスプレーしておくのもおすすめです。キッチン回りのくすみ、ヌメリに特化したシリーズ商品も取り扱っていますので、ぜひ試してみてください。
引用:カビキラー
アルカリ性洗剤を扱う上での注意点
酸性の汚れを落とすことができるアルカリ性洗剤ですが、使用時に注意すべきことが4点あります。
- 使用不可の素材がある
- ゴム手袋や保護メガネを装着する
- 他の洗剤と混ぜない
- 液体洗剤はpHに応じて希釈して廃棄する
使用不可の素材がある
以下のようなものに対しては、アルカリ性洗剤の使用を避けてください。
- アルミニウム製品
- フッ素コートが施された製品
- 塗装が劣化した製品
- 木製の製品
これらの製品にアルカリ性洗剤が触れると、洗剤に含まれるアルカリ成分が塗装を溶かしたり、素材を傷めたりする恐れがあります。使用するのが不安な場合は、目立たないところで一度試してから使うようにしましょう。
ゴム手袋や保護メガネを装着する
アルカリ性洗剤は、油汚れを落とすのに適しています。ただし、洗剤に直接触れてしまうと、手の皮脂まで落としてしまう可能性があります。手にはある程度の油分が必要であり、これらが落ちてしまうと肌荒れのリスクが高まってしまいます。
従って、アルカリ性洗剤を使用する際には、常にゴム手袋を着用するようにしましょう。
また、アルカリ成分が強い洗剤には、保護メガネやマスクなどを装着して使用するよう注意書きがされているものもあります。必要に応じて保護具を着用し、安全に洗剤を使いましょう。
他の洗剤と混ぜない
洗剤のパッケージの「混ぜるな危険」という表記を見たことがある方は少なくないでしょう。
複数の洗剤を混ぜ合わせると、それぞれの洗剤に含まれる異なった成分が化学反応を起こし、有毒なガスが発生する危険があります。そのため、2つ以上の洗剤を混ぜることは推奨されていません。
特に、塩素系洗剤を酸性洗剤と混ぜると、有毒な塩素ガスが発生します。塩素ガスを吸ってしまうと目やのどの痛みが引き起こされ、重度の呼吸器症状が生じる可能性があります。
洗剤どうしを意図的に混ぜ合わせてはいけません。また、複数の洗剤を同じ場所で続けて使用する際には、一方の洗剤をしっかり洗い流してから別の洗剤を使うことで、洗剤同士が混ざり合うのを防ぎましょう。
また、洗剤の使用中に換気をしておくと、有毒ガスが発生してしまってもすぐに屋外へ逃がすことができます。
液体洗剤はpHに応じて希釈して廃棄する
下水道にそのまま廃棄する液体は、pH値が8.6以下の状態にするよう定められています。そのため、pH値が大きい強アルカリ性洗剤を直接下水道に流すことはできません。洗剤を廃棄する前に、パッケージに記載されているpH値を必ず確認してください。
pH値が11以下の洗剤は、水で希釈して廃棄できることが多いです。10倍の水で希釈すると、pH値は1小さくなります。これを参考に、基準値の範囲内に希釈してから廃棄するようにしましょう。
pH値が12以上の場合は、アルカリ廃液中和剤と呼ばれる専用の液体で希釈すれば、下水道に廃棄することができます。
アルカリ性洗剤で家中ピカピカにしよう
アルカリ性洗剤は油汚れをはじめとした多くの酸性汚れを落とすことができますが、洗浄力が強い分、安全に十分注意して使う必要があります。
取り扱いには十分注意して、今回ご紹介した洗剤を使って頑固な汚れを落としてみてください。