生ごみの不快な臭いに困った時、皆さんはどうしていますか?
新聞紙やビニール袋に包んだり、冷蔵保存したり。
どちらも効果的な方法ですが、「とりあえず手っ取り早く臭いを消したい!」という場合にはアロマスプレーが有効です。
生ごみの消臭におすすめの香りや適切な使い方を知って、毎日の消臭に役立てましょう。
嫌な臭いの原因は菌やカビなどの微生物
生ごみの腐敗臭は、生ごみを餌にして菌やカビなどの微生物が活発に活動したことが原因。
アロマスプレーをかけて臭いに対処したい場合は、殺菌作用や消臭作用のある香りを採用するのがよいでしょう。
アンチバクテリアのアロマ7選
細菌の繁殖を抑え、生ごみの悪臭発生を抑える「アンチバクテリア」効果を持つアロマを積極的に使って、香りを楽しみながら悪臭を抑えましょう。
- ティーツリー
- タイム
- レモングラス
- ユーカリ
- ラベンダー
- ペパーミント
- シトロネラ
この項では、アンチバクテリアのシーンで特に強力な効果を発揮するこれらの香りについて紹介します。
ティーツリー
ティーツリーは強い殺菌・抗菌効果や抗ウイルス効果を持ったアロマ。フトモモ科の気を原料とし、少しスパイシーな香りです。
生の葉を噛むことで腸内の寄生虫を予防したり、擦り傷や虫刺されに塗ったりするなど、原産地・オーストラリアの先住民たちはティーツリーを万能薬として活用してきました。
細菌への効力はもちろん、安全性も高いので、食品を扱うキッチンでも使える生ごみ用アロマスプレーとして使うのにうってつけです。
タイム
タイムはシソ科のハーブで、清々しく豊かな香りが特徴です。魚料理との相性がとてもよく、調理用ハーブとしてムニエルやマリネなどにも使われます。
高い抗菌作用が古くから知られており、古代エジプトでミイラの防腐剤として使われたり、疫病予防のために用いられたりしています。
細菌に打ち勝ちながら爽やかに香ってくれるので、生ごみに吹きかけて使うアロマスプレーにも向いています。
レモングラス
インド原産のイネ科のハーブで、レモンのような爽やかな香りが精油としても人気です。
レモングラスの芳香成分「シトラール」「シトロネラール」には昆虫が嫌う作用があるため、市販の虫よけ剤にも主成分として使用されています。
殺菌、消毒、抗菌作用も期待できるほか、香りも広がりやすく癖がないため、アロマ初心者でも生ごみ対策として手に取って使いやすいアイテムです。
肌への刺激が強いので、不安であれば使用量を控えめにするなど注意を要します。
ユーカリ
ユーカリはティーツリーと同様、オーストラリアの先住民たちに万能薬として使われてきた植物です。アロマとしては鼻が通るようなスッとシャープな香りが特徴です。
主成分である「ユーカリプトール」は、バクテリアや昆虫の生育、増殖を阻止する作用を持ち、殺菌や消毒、防虫効果があります。
スプレーすれば生ごみから発生する悪臭の成分もしっかり消し去り、快適に過ごせるはずですよ!
ラベンダー
ラベンダーは「万能のアロマ」とも称されるほど様々な効能を持つアロマ。
生ごみの悪臭対策としては、殺菌、抗ウイルス、デオドラントや消毒効果のほか、カビの繁殖を抑える作用も備えています。
さらに防虫効果も期待でき、中世ローマではラベンダーの花を部屋の中に吊るしてハエや蚊が寄り付かないよう虫よけにしていたと言われています。
肌への刺激が穏やかなので、普段アロマを使い慣れていない人にも触れやすいアロマです。
ペパーミント
スッキリとしたクールな香りが馴染み深い、ペパーミントの香り。
殺菌効果に長け、「ペパーミント精油を0.04%以上に希釈したところO-157が完全に死滅した」という研究も発表されています。
また、ペパーミントに含まれるメントールの香りを虫が嫌うため、防虫にも使えます。
空気のリフレッシュ作用に優れるので、生ごみの臭いがこもりがちなゴミ箱に使ってみるのもいいですね。
シトロネラ
引用:たかくらとくらす
レモングラスによく似たシトロネラも、「シトロネロール」を豊富に含むアロマです。
同様に雑菌の繁殖や臭いを防ぐ抗菌・防臭効果や殺菌効果が期待できるので、生ごみ用スプレーとして効果的に使えます。
日光に当たっても光毒性(紫外線に反応して肌に刺激を与える)を発せず、香りも柑橘類に似たすっきりとした香りなので、様々なアロマファンに長く愛されたアイテムのひとつです。
アロマの力で生ごみを消臭
アロマオイルの使い方は簡単。臭いを消したい生ごみの水気を切ってから、2~3回直接スプレーするだけです。
ゴミ箱や三角コーナー、排水溝など臭いが気になる場所に吹きかけてもOK!
アロマスプレーの作り方
既製品のスプレーを買うのも良いですが、自分で好きな香りを選んで使えるアロマスプレーを自作すればごみ処理のモチベーションもアップするかもしれません。
用意するもの
自作の生ごみ用アロマスプレーを作る時に用意しておきたいアイテムは以下の通りです。
- アロマオイル
- 無水エタノール
- 精製水
- 遮光性のスプレー容器
- ビーカー・攪拌(かくはん)棒
- ラベルシール
アロマオイル
香りをつけるアイテムとして必須。精油、エッセンシャルオイルとも言われます。
好みの香りや用途に合わせて適量を調合しましょう。
おすすめの組み合わせについても後ほど解説するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
無水エタノール
アロマオイルは「オイル」と言うだけあって水に溶けません。
スプレーとして使うためには、エタノールを利用してアロマオイルを溶かし、薄める必要があります。
エタノールは濃度によって大きく3種類に分かれます。
- 無水エタノール
- 消毒用エタノール
- エタノール
アロマオイルには、この中で最もエタノール純度が高い「無水エタノール」を利用しましょう。
ドラッグストアなどで購入が可能です。
精製水
アロマオイルをより拡散させやすくするため、オイルや無水エタノールと混ぜて使用します。
保存の観点から不純物を取り除いた精製水を使いたいですが、購入が難しければ水道水やミネラルウォーターでもOKです。
継続してアロマスプレーを使い続けたいと考えている場合は精製水の購入をおすすめします。こちらもドラッグストアで見つけることができます。
- 香りが付いたフローラルウォーターも
アロマオイルを抽出するときに副産物として得られる「フローラルウォーター」を使うのもいい方法です。
アロマオイルの販売店などを探せば、購入ができるでしょう。
スプレー容器
オイルは日光で劣化しやすいため、青や茶色の遮光性スプレー容器を買いましょう。
プラスチックなど素材によってはエタノールで変質しやすい場合があるので、アルコールスプレーとしての用途に対応しているかは要確認です。
ガラス瓶は重めの素材ですが、オイルやアロマスプレーの保存に適しています。
容量や好みに合わせて選びましょう。
ビーカー・攪拌棒
材料(エタノール、水)の容量を量ったり、かき混ぜたりする時に使います。
プラスチック製のビーカーでも大丈夫ですが、長く使い続けたい場合は重量感があって倒れにくいガラス製のビーカーをおすすめします。
ラベルシール
アロマスプレーの管理に使います。中身の作成日や材料を記載して容器に貼っておき、いつまでに使い続けるのか把握できるようにしましょう。
アロマスプレーの作り方
準備が終わったら、さっそくアロマスプレーづくりに挑戦。材料を図って混ぜるだけなので、誰でも簡単に作れますよ。
- アロマオイル:約10滴
- 無水エタノール:約10ml
- 精製水(ミネラルウォーター、フローラルウォーター):約40ml
材料の目安は上の通りです。
- ビーカーに無水エタノールを入れる
- アロマオイルを入れ、よく攪拌する
- 精製水をビーカーに入れ、再度攪拌する
- 容器に③を入れる
- ふたをしっかり閉め、容器を良く振る
- ラベルシールに容量と作成日を記載して貼る
アロマスプレーの使い切り目安は約1週間。余らせるともったいないので、使い切れる量を作りましょう。
生ごみ用アロマスプレーにおすすめのブレンド
ここからは、生ごみに使うアロマスプレーを作る際にぜひ参考にしてほしいアロマブレンド例をご紹介します。
すっきりブレンド
殺菌・防虫効果のあるアロマは柑橘系との相性バッチリ!
- レモングラス3滴
- ペパーミント3滴
- ベルガモット4滴
どのアロマもすっきり鼻に通る香りなので、生ごみにかければ防臭はもちろんキッチンに立つたびリフレッシュ効果も図れます。
フローラル×柑橘ブレンド
少量でも華やかなフローラル系の香りと柑橘系を合わせました。
- ゼラニウム2滴
- シトロネラ3滴
- オレンジスイート5滴
ゼラニウムは比較的香りが強く、反対に柑橘系のオレンジスイートは香りが揮発しやすい性質を持っているので、上のバランスくらいでちょうど良く作れるはず。
実力重視ブレンド
何が何でも虫を寄せ付けないぞ! という印象の実力派ブレンド。
- シトロネラ4滴
- ユーカリ3滴
- ペパーミント3滴
ハーブの爽やかな香りが際立つ、防虫効果に特に優れたブレンドです。もちろん生ごみに振りかければ殺菌効果も期待できますよ。
実力重視ブレンド②
こちらも殺菌力の強い香りを集めた対生ごみ臭ブレンド。
- ティートゥリー : 4滴
- レモングラス : 3滴
- ペパーミント : 3滴
いずれもトップノートに使われる力強いインパクトがある香り。香りの持続力はちょっと低めですが、そのぶん高い即効性が強みです。
ビギナー向け! 精油2種類で作れる万能アロマ
アロマオイルは販売されている容量が少なめな上、お値段はそこそこ。
しっかり揃えるのには抵抗がある場合、精油2種類からチャレンジできるブレンドもおすすめです。
単品でも使いやすく効果が高いアロマオイルに絞ったので、まずはブレンドなしでスプレーを試してみるのも◎。
レモングラス×ラベンダー
防虫効果抜群のレモングラスと、華やかな香りの万能アイテムラベンダーを組み合わせたブレンド。
主張が強そうに思えますが、意外にも相性がよく使いやすい香りです。
生ごみ以外にも、防臭など様々なシーンに活用できますよ。
シトロネラ×ティーツリー
柑橘系で「シトロネロール」を多く含むシトロネラに、清涼感のあるティーツリーをマッチさせたアレンジ。
すっきりと優しい香りながら防虫&殺菌効果は完璧です。
苦みのある香りを持つティーツリーが苦手な人でも、万人受けする柑橘系のシトロネラを混ぜることで親しみやすい香りになります。
生ごみの臭いにはアロマスプレーが効く!
イヤな生ごみの臭い、しつこく続くのも気分が滅入る原因のひとつですよね。
上から香りを重ねるのではなく、アロマが本来持つ香り成分の効能を生かして賢く適切に防臭しましょう!