美味しいお水をいつでも飲むことができるウォーターサーバーは、非常に便利で、日々の生活を豊かにしてくれます。

しかし、もし地震などの災害で、停電が起きた場合、ウォーターサーバーから水は出るのでしょうか?災害時は、停電だけでなく、断水が起こる可能性もあるため、水を備蓄しておくことが大切です。

そこでこの記事では、停電時でも使えるサーバーの判別方法、停電時と復旧後の正しい扱い方、災害時に役立つ水情報を解説していきます。

  1. 停電時に使えるウォーターサーバーの判別方法
  2. 停電時や復旧後はどう扱えば良い?
  3. ウォーターサーバーの水に賞味期限はあるの?停電中は劣化が早い?
  4. どれくらい備蓄しておけばいい?
  5. まとめ

停電時に使えるウォーターサーバーの判別方法


ウォーターサーバーには、停電時に使えるタイプと使えないタイプがあります。この差は水を出す方式の違いから生まれるので、事前に確認が必要です。

レバー式・コック式なら停電時でも利用可能

レバー式とコック式は、コップを押し付けたり、つまみを上げたりして水を出すものです。これらは水を出すのに電気を使いません。重力によって水が出る方式であるため、停電の影響を受けることがないのです。

そのため、停電時でも利用可能ですが、冷水や温水を出すことはもちろんできないので、注意が必要です。

ボタン式は停電時使えない

ボタン式は、電気の力を使って、弁の操作をするため、停電すると利用することができなくなります。万が一の際は、ボトルから直接出水して利用するしかありません。

サーバーの下部にボトルを設置するタイプも使えない

ウォーターサーバーのボトルは上部に取り付けてられているのが主流ですが、ボトル交換時の負担軽減のため、下部に設置されているタイプもあります。このタイプは、電力を使って下から水をくみ上げているため、停電時に水を出すことができません。

停電時や復旧後はどう扱えば良い?


では、停電が起きた時、何に注意すれば良いのでしょうか?正しい扱い方をしないと、故障につながる恐れがあるので、以下の内容を必ず守るようにしましょう。

停電したら必ずコンセントを抜く


停電したらまず初めに、ウォーターサーバーのコンセントを抜きましょう。コンセントを挿したままの状態で電力が復旧すると、想定以上の電流が流れる、過電流が発生することがあり、それが原因でサーバー本体が故障する可能性があります。停電中でも使えるタイプのサーバーは、コンセントを抜き忘れることがあるので注意しましょう。

停電が長期間に及ぶ場合、水抜きを行う

停電がすぐに復旧する場合は問題ありませんが、長期化する場合は、ウォーターサーバー内の水を抜くようにしましょう。ウォーターサーバーは電力を使って温度を保っており、内部の水の劣化を防いでいます。

しかし、停電が長期化すると、内部で雑菌やカビが繁殖してしまう恐れがあります。ウォーターサーバーの内部に、カビや雑菌が発生すると、メーカーに依頼しても元の状態に戻すことは難しいので、水抜きを忘れないようにしましょう。

復旧後は電源をオンにし温水スイッチを入れる

停電から復旧後、すぐにコンセントを挿さないよう、注意してください。これは電化製品全般に言えることですが、復旧後5分以上経過してから、コンセントを挿すことで、通電火災や故障事故を防ぐことができます。

電気が復旧したか、きちんと確認してからコンセントを挿し、ウォーターサーバーの温水スイッチをONにしましょう。ただし機種によっては、停電後に別途操作が必要なこともあります。必ず取扱説明書を確認してから復旧後の対応にあたりましょう。

ウォーターサーバーの水に賞味期限はあるの?停電中は劣化が早い?


ウォーターサーバーのお水の賞味期限は開封前で半年~1年。開封後は2週間〜1ヶ月ほどです。しかし停電が起きると、適温に保つ機能が使えなくなるので、サーバー内の水は常温になります。常温になった水は鮮度を保てないため、細菌が繁殖するリスクがあります。

各メーカーの水に含まれているミネラル成分の量や、どれだけの時間サーバーが動いていなかったかにもよりますが、1~2日程度でサーバー内のボトルを使い切るようにしてください。飲用や料理だけで使い切るのが難しいようであれば、洗濯やトイレの排水など、生活用水にも活用するのがおすすめです。

どれくらい備蓄しておけばいい?


ウォーターサーバーは、停電時や災害時の備蓄水としても重宝されています。ウォーターサーバーの水は、「天然水」と「RO水」の2種類がありますが、備蓄用の水に適しているのは、賞味期限が長いRO水です。

「RO水」は逆浸透膜という特殊なフィルターで不純物を徹底的に除去した純水がベースとなっており、不純物が限りなく少ないため、賞味期限は未開封で1年、開封後で1~3ヶ月と、かなり長持ちします。

一方、「天然水」は未開封で3~6ヶ月、開封後は1ヶ月と短くなっています。とはいえ、停電中は常温になり、細菌が繁殖するリスクがあるので、RO水でもなるべく早く使いきりましょう。

また、必要な備蓄水の量は、成人男性が1日に必要な水の量が、2.5リットルといわれているので、余裕を持って、「大人1人で1日3リットル」を目安にしましょう。もし断水が起きた場合、給水の配送などに時間がかかるため、消防庁防災マニュアルでは、最低3日分の備蓄を用意するよう推奨しています。

一人暮らしであれば、3日分で9リットルのお水が必要です。ウォーターサーバーのボトルは10リットル前後が一般的なので、ボトル1本のストックはしておくようにしましょう。

まとめ

停電時でも、レバー式とコック式のウォーターサーバーなら利用可能ですが、故障を防ぐために、停電時と復旧時の取り扱いには注意が必要です。

どのタイプのウォーターサーバーであっても、備蓄水として活用することはできますが、開封後の常温の水は細菌が繁殖するリスクがあるので、1~2日で使い切るようにしてください。

また、備蓄に適したRO水を自分の家族構成に合った、望ましい量を非常時に備えて確保しておくことが大切です。この記事を参考に、必要な量を揃えるようにしましょう。