家の顔ともいえる場所、玄関。
毎日使い、時にはお客さんを出迎える場所なので、インテリアや掃除もこだわっている方も多いはず。
そんな玄関ですが、臭いが気になったことありませんか?
いくら玄関をきれいにしていても、臭いが気になるようなら原因は下駄箱にあるかもしれません。今回は下駄箱の嫌な臭いの原因ときれいを保つ方法を解説していきます。
下駄箱の嫌な臭いの原因は?
汚れのつきやすい靴を収納する下駄箱は、悪臭が発生しやすい場所です。
この臭いの原因は大きく2つあります。
靴自体の匂い
1日中履いた靴には、汗や汚れが付着しています。
このように汚れがついたまま靴をしまうと、雑菌が増殖します。
この雑菌が嫌な臭いの原因になるのです。
いくら足をきれいに保っていたり、靴下を履いたりしても、関係ありません。
足からの汗や剥がれた皮脂を餌にして増えていくのです。ちなみに、汗や皮脂自体は無臭ですが、この雑菌が臭いの原因物質を発生させていることが分かっています。
また、臭いのついた靴を下駄箱に入れておくと、他の靴にも臭いが移ります。
履いた靴は臭いを取ってからしまうということを覚えておきましょう。
下駄箱の汚れ、カビ
汚れた靴をそのまましまうと、収納棚に雑菌やカビ菌が付着し、棚でも繁殖をします。
下駄箱は狭く、靴をぎっしりしまっている人も多い場所。
ただでさえ臭いがこもりがちですが、扉がついていると通気性も悪くなります。
湿気がこもり、汚れだけではなくカビも発生しやすく、温床となる場合も。
- 湿度60%以上
- 20度~30度の高めの気温
- 栄養分がある
カビはこの3つの条件が揃う環境を好みます。
湿度60%以上で生存しているカビは、湿度が70%以上になると増殖スピードがぐんと増します。
湿気がたまりやすい場所=湿度が変わりにくい場所です。扉のついた下駄箱はまさにカビの好む環境を作りやすいのです。
雑菌と同じくカビも、皮脂や汚れ、ほこりなどが栄養分になります。
玄関にたまったほこり、靴に付着した皮脂や垢、汚れ、髪の毛など全てがカビや雑菌の養分となってしまうのです。
棚に目に見えるくらいのカビがついてしまった場合は、落とすのが少し大変になります。下駄箱の素材にもよりますが、消毒用エタノールや塩素系漂白剤を使用して丁寧に除去するのが良いでしょう。
下駄箱の掃除方法
困った下駄箱の嫌な臭いには、定期的な掃除とカビや雑菌が増えない環境作りが有効です。
どうやって掃除するのがいいか、コツとともに紹介していきます。
汚れを取る
下駄箱の掃除を行う際、まずは靴を全て出しましょう。収納グッズやお手入れ用品なども同様です。一度、空の状態を作ってください。
ほうきなどで泥や汚れ、ほこりを取り除き、拭き掃除を行います。
アルカリ洗剤でふき取り
嫌な臭いの原因になる雑菌は酸性のものが多いです。そのため、アルカリ性の洗剤を選ぶのが◎。
棚にカビや雑菌が増殖してしまうと、棚から靴に付着してしまうこともあります。
臭いも同じく棚にも付着するため、水で拭くよりも洗剤を使うのがおすすめです。
アルカリ性の洗剤には酸性の汚れを中和させるので、消臭効果を発揮してくれる役割もありますよ。
拭き掃除は月に1~2回程度行うのがベストです。天気のいい土日などに定期的に行ってみてください。
しっかり乾かす
最大のポイントは拭き掃除後にしっかり乾かすこと。
せっかく掃除をしても、すぐに扉を閉めて空気の通りを悪くさせてしまっては意味がありません。掃除後はしばらく扉を開放し、しっかり乾燥させましょう。
下駄箱の臭いを予防するためには?
しつこい下駄箱の臭いですが、ポイントさえ抑えれば簡単に予防できます。
定期的な掃除
まずは、定期的な掃除を行いましょう。
嫌な臭いに気づいた時、消臭剤を置いてしまいたくなりますが、これはNG。臭いをごまかしているだけです。
根本的な問題は解決できないので、まずは臭いの原因を取り除く掃除を習慣化してください。
下駄箱の喚起をする
どうしても湿気がこもってしまう下駄箱。意識的に喚起を行うのが大切です。
雑菌は湿度が60%以上になると活発に働きます。つまりこの湿度を下げれば、雑菌の動きは抑えられるのです。
喚起を行うと空気中に浮遊している雑菌やカビ菌を下駄箱から追い出すことができます。
毎日30分ほど喚起することで悪臭は軽減されるはずです。外出時や寝る前など玄関を使用しないタイミングで扉を解放すれば、見た目も気になりません。
出来れば毎日喚起を行うようにしましょう。
履いた靴をすぐにしまわない
玄関に出しっぱなしの靴が気になるかもしれませんが、実は臭いのことを考えるとすぐに靴をしまうのは注意!
一日中履いた靴は体温で暖かくなっており、さらに汗が付着し、雑菌やカビにとって絶好の環境が作られています。この靴をそのまま下駄箱しまえば、どうなるのでしょう。
湿気がこもり、雑菌やカビは靴についた汚れを栄養にさらに増えてしまいます。
雨や雪で靴が濡れた際はもちろん、一見汚れにくそうなサンダルにも汗や皮脂は付着しています。
どんな靴でもすぐにしまわず、玄関先やベランダなど風通しのいい場所でしっかり乾かしてからしまうのが◎。干すスペースがない場合は、丸めた新聞紙を中に入れるのも有効です。
靴の干し方のポイント
靴は湿気が逃げにくい作りになっています。乾きにくい靴を干す時は以下の3つに気を付けましょう。
- 風通しのいい日影に干す
- 内側にも風が通るようになるべく開く
- 靴を立てかける
天日干しは雑菌やカビは死滅しますが、靴が傷む場合も。
太陽光は、変色や劣化の原因になったりと靴の素材に注意が必要なので風通しのいい日影で半日~1日一程度干すのがおすすめです。
つま先を上に立てかけると、水分を含んだ空気が履き口から逃げやすくなりますが、型崩れがしやすい置き方でもあります。
素材や形によって取り扱いが異なるので、大切な靴は靴専門のクリーニングを使用しましょう。
靴はローテーションさせる
1日中履いた靴には、熱や湿気がこもります。
そのため毎日履くと、湿気の逃げる間が無く、どんどん雑菌やカビ菌が増えていってしまうのです。
おすすめは、毎日同じ靴ではなくローテーションで履くこと。1日履いた靴は、しっかり乾燥させた後、2〜3日休ませることで、熱や湿気のこもる時間が減ります。
汚れた靴は下駄箱に入れない
ひどく汚れた靴、臭いが気になる靴は、乾燥させるだけではNG。
また、雨降りや雪の日など、濡れてしまった靴をそのまま玄関に放置したことはありませんか?
雨でベタベタになった靴をそのままにして置いておくのはNG。そのまま下駄箱にしまうのは、もってのほかです。ますます下駄箱内の湿度が高くなり使用頻度の低い靴にカビが生えることも。
湿度が高くなると、臭いだけではなく靴が傷むこともあります。靴を長持ちさせるためにも湿気には注意が必要です。
汚れた靴はそのまま洗うのがおすすめ
靴が汚れてしまったときは、乾かさずそのまま洗うのがベター。汚れたばかりの時や雨で濡れた時は汚れも浮いていて落ちやすくなっています。
汚れが定着する前にブラシでこすり洗いしましょう。
下駄箱の整理を習慣に
靴を詰め込みすぎると、空気が循環しにくくなります。臭いの原因は、下駄箱の容量に合わない靴を詰め込んだことによって湿気がたまりやすくなっているからかも。
下駄箱はメンテナンス用品など、ついついいろんなものを詰め込んでしまう場所です。
汚れがひどく履いてない靴や長らく履いてない靴などを処分しすっきりさせましょう。
掃除を定期的に行うのと同じく、靴の見直しも定期的に行ってください。
パンパンに入った下駄箱は湿気や熱がこもりやすくなるだけではなく、カビや雑菌が付着する面積も増えます。
使いやすい玄関は、臭いの原因にも効果的に働いてくれますよ。
消臭剤を置く
掃除や換気を行ったら消臭剤を置くのも◎。
原因を放置していたままでは、消臭剤をおいても臭いは改善されません。まずは掃除と換気を行いましょう。
消臭剤を選ぶポイントは、【芳香剤】ではなく【消臭剤】を選ぶこと。香りが強いものを置いても臭いと混ざってしまうことになります。
湿気対策に、除湿シートや除湿剤なんかもおすすめです。
消臭剤は低い位置に
嫌な臭いは、空気より重く下に溜まっていく傾向があります。そのため消臭剤は下駄箱の下のほうに置くのが◎。
小さなタイプは下駄箱に対して1つだけ設置せず、棚ごとに置くとより効果を発揮してくれます。
消臭剤とは逆に、芳香剤を置くのであれば、上のほうに置くと香りが広がってくれますよ。
靴専用の消臭剤も◎
置き型の消臭剤だけではなく、靴に入れて使うタイプもおすすめです。乾燥と消臭を促すものがいいでしょう。
また、この消臭剤にはスプレータイプのものも。
靴の中にスプレーするだけで消臭できるため出先でも使用できます。
【ワンプッシュしてから靴をしまう】を家族の習慣にしてしまうと楽ちんです。
こまめな下駄箱掃除を
家の印象を決める玄関。しかし、家の中でも汚れが溜まりやすく、臭いが気になる場所でもあります。
毎日使う場所だからこそ、普段から掃除と喚起を習慣化してしまえばトラブルはぐっと少なくなるはず。こまめな掃除を取り入れて、快適で使いやすい下駄箱をキープしましょう。