お掃除に便利で人間やペットの体にも悪影響を及ぼしにくい、「エタノール」と「クエン酸」、「重曹」。

最低限どれかひとつがお家にあると便利、と言われることも多いですが、これらのアイテムをどのように使い分けるのかは知っていますか?

効率よく身の回りをきれいにするためにも、それぞれの特徴を覚えておくと便利ですよ。

今回は、エタノール、クエン酸、重曹の特徴や使い分け方を紹介します。消毒や消臭など用途に合わせるほか、お困りごと別の選び方も把握しましょう。

  1. エタノールには殺菌機能がある!
  2. 重曹は酸性汚れに使おう
  3. クエン酸
  4. エタノール・重曹・クエン酸を使い分けてキレイに

エタノールには殺菌機能がある!

新型コロナウイルスなど感染症対策に使われることからも、エタノールで殺菌ができることは有名ですね。

殺菌効果は掃除にも有効。細菌やカビ退治はもちろん、微生物由来の悪臭を消し去ることにも活用できます。

エタノールが効果を発揮するもの

  • 水溶性の汚れ
  • 油汚れ全般
  • 微生物由来のニオイ
  • 殺菌

エタノールは水にも油にも溶けやすいため、食品など水溶性の汚れにも、キッチン周りの油汚れや皮脂など油性の汚れにも対応できます。

また、生ごみなど微生物が増えることで悪臭を放つものの消臭、ドアノブのような手が触れやすい部分の殺菌消毒が可能です。

エタノール使用のメリットと注意点

エタノールの最大のメリットは殺菌力ですが、もうひとつ「すぐに蒸発するため洗い流しの必要がない」という点も強みです。

特に水分をほぼ含まず純度の高い「無水エタノール」は、その揮発性の高さから電化製品の掃除にも使えるのが便利。

ただし、殺菌効果は乾いた状態でないとうまく殺菌されません。使いたい場所に水気があったら、必ず拭き取ってあげましょう。

エタノールの使用シーン

続いては、エタノールが活躍するハウスクリーニングの例をご紹介します。

電化製品に

パソコンのキーボードやリモコン、ゲーム機のコントローラーなど、洗いたいけど洗剤や水拭きは不安……という高性能電化製品であれば、エタノールが便利です。

揮発性が高い無水エタノールを選びましょう。

パソコンの電源を落としてキーボード上のゴミを軽く払ったら、綿棒に無水エタノールをつけて優しく丁寧に汚れを落とせばOK。

キッチン周りに

油汚れに直接吹きかけて乾いた布で拭き取れば、カンタンに油汚れが落ちます。

ガスコンロや電子レンジの中など、ガンコな油汚れが気になる部分に試してみましょう。

ただし、エタノールは引火しやすい性質を持っています。エタノールを使う際は火気厳禁!

火にまつわる部分はしっかり揮発させてから使いましょう。

窓ガラスや鏡の汚れ

ガラスや窓は、普通に水を使って掃除すると拭き跡が気になってしまいます。

エタノールをつけたやわらかい布で拭くことで、揮発させて拭き後を残さずきれいにできますよ。

キッチン用品に

エタノールは人体に無害なので、口に入る食べ物を扱う調理器具の消毒や清掃にもおすすめです。

タッパーやお弁当箱、水筒、ジャーなどのにおい取りはエタノールを使った拭き取りで対応しましょう。

まな板や包丁など、生鮮食品に触れやすい調理器具の消毒にも活用できます。

重曹は酸性汚れに使おう

掃除に使える天然の素材と言えば、重曹を連想する人も多いのでは?

100円均一ショップなどでも気軽に大量購入できるので、一人暮らしのお家にもひとつ用意しておくと何かと便利です。

重曹が効果を発揮するもの

  • 鍋の焦げ付き
  • ガスコンロ周りの汚れ
  • 茶渋取り
  • 排水溝などのヌメり取り
  • 皮脂

重曹はアルカリ性の性質を持っているので、油や皮脂汚れを落とすのに向いています。べたべたするタイプの汚れは酸性と覚えておきましょう。

粒子が粗く研磨力が高いので、クレンザーのようにゴシゴシこすって使うことができます。鍋の汚れのこそげ取りは得意ですが、傷をつけたくない製品への使用は向きません。

重曹を生かせる使い方と注意点

研磨力を生かしたい場合は、粉末のまま洗いたいものに振りかけてゴシゴシこすり落とします。

コンロの壁などにこびりついた汚れには、重曹を水に溶かしてふき取るのがよいでしょう。

柔らかい素材のものや大理石、フローリングなどツヤのあるものは傷つく恐れが、アルミ製品や畳に使うと黒ずむ可能性があるので、使用は避けましょう。

また、重曹は湿気で固まります。必ず密閉容器で保存しましょう。

重曹の使用シーン

エタノールに続き、重曹がお掃除で力を発揮してくれる場面をご紹介します。

鍋についた頑固な焦げ付きに

アルミ製品以外であれば、お鍋のガンコな焦げ付きに重曹が有効です。

まずは重曹を粉末のまま振りかけて、キッチンペーパーなどで拭いてみましょう。

焦げ付きが落ちなかった場合は、以下の手順を試します。

  • 大さじ1杯の重曹と水を鍋に入れ、フタをして弱火で加熱する
  • 沸騰後もそのまま10分ほど加熱を続ける
  • コンロから降ろし、粗熱がとれてからスポンジでこする

電子レンジ掃除は重曹でラクラク

電子レンジは使用シーンが多いのに対し、中の掃除をこまめにしにくいのが難点。

レンジ台だけを拭いても、周りの壁には食品の酸性汚れがべったりこびりついています。

電子レンジを掃除したい場合は、耐熱性のコップに水と大さじ1杯の重曹を入れてレンジでチン!目安は3分から5分です。

入れたまま10分ほど放置し、時間が経過したらコップを出して中を雑巾で拭き取りましょう。

茶渋やコーヒーのシミ取りに

茶渋がひどい水筒や急須、コーヒーカップやマグカップのお手入れにも重曹が使えます。

水と大さじ1杯の重曹を火にかけてお湯を沸かし、茶渋を取りたいものに入れてしばらく放置しておきましょう。

クエン酸

クエン酸も重曹と同じくどこでも安価に手に入れられるお掃除アイテム。水垢や石鹸垢に強いので、お風呂場やトイレなど水回りで生かすことができるでしょう。

クエン酸が効果を発揮するもの

  • 蛇口や鏡の水垢
  • 石鹸のカス
  • タバコのヤニ汚れ、ニオイ
  • トイレの尿石
  • 排水溝のヌメり

酸性の性質を持つクエン酸はアルカリ性の汚れに強いのが特徴です。水垢やトイレの黄ばみ、石鹸カスなどには最も効果を発揮してくれるでしょう。

クエン酸を生かせる使い方と注意点

一般的によく売られているクエン酸の掃除用品には、スプレータイプと粉末タイプの2種類があります。

スプレータイプのものは拭き取りに使いやすく、粉末であればガンコな汚れなどに合わせて細かく落とす力の調整がしやすいです。

粉末のものを水に溶かしてスプレーを自作することもできるので、コストがかかっても手軽に使いたいならスプレー、安く抑えて幅広く使いたいなら粉末を買いましょう。

クエン酸の使用シーン

クエン酸が活きるのは水回り。脂性の汚れを落とすアイテムと組み合わせて様々な場所をきれいにしましょう!

いろいろな水垢を取る

蛇口や鏡、水筒に洗面台……水垢が気になる場所は多いですよね。

クエン酸スプレーを吹きつけてからラップを敷いてパックすると、水垢がスルっとキレイに落ちますよ。

スプレーを自作する時は、水200mlにクエン酸小さじ1杯が目安です。

食洗器の洗剤カスを落とす

清掃していない食洗器の中には洗剤のカスがこびりついており不衛生です。

小さじ3杯のクエン酸を入れて空運転するだけで中をきれいにできるので、月に1回から2回は掃除をするようにしましょう。

機種によってはこの方法での掃除が禁止されているものもあるので、説明書などを必ず確認してから!

電気ポットやお風呂、洗面台

上のアイテムには水道水を溜めておくことが多いですよね。

水道水にはカルシウムなどのミネラルが含まれており、これが固形化して白い汚れにつながることがあります。

ポットであればクエン酸を少しと水を入れて沸騰させ、2時間放置したのちに丸洗いでOK。

洗面台やお風呂の汚れは、古布にクエン酸スプレーを染み込ませたもので拭き取りましょう。

トイレの黄ばみ

トイレの黄ばみの元となるアンモニアはアルカリ性。

クエン酸スプレーを吹きかけて掃除するだけでも効果がありますが、ガンコな尿石を落としたい場合はクエン酸スプレーを吹きかけたキッチンペーパーを使いたい部位に貼りつけて一晩置いておきましょう。

エタノール・重曹・クエン酸を使い分けてキレイに

「掃除に効果があるもの」と言っても、性質の違いから効く汚れには違いがあります。

使い分け方を場面別にあらかじめ覚えておくのもいいですが、汚れの性質が分かればどのアイテムを使えばいいのか分かります。

上でご紹介したもの以外の汚れに応用を利かせることができるので、用意するだけでなく汚れの種類を見分けられるようになると、もっとエタノールをはじめとする掃除用品を生かせるでしょう。