洗剤を使って掃除をしているのに、なかなか汚れが落ちないと悩んでいる方は少なくないでしょう。汚れが落ちない原因の1つに、使っている洗剤の種類が間違っているというものがあります。汚れに対応した洗剤を使わないと、効果的に汚れが落ちず、掃除に時間がかかってしまいます。
そこで今回は掃除用洗剤の種類と、対応している汚れや使い分けについて解説いたします。
- 掃除用洗剤にたくさんの種類があるのはなぜ?
- 家庭で発生する汚れには種類がある!?
- pH値と(掃除用)洗剤の液性の関係性とは
- 洗剤の種類とは?
- 掃除用洗剤を使う際の注意点
- 洗剤をうまく使い分けて掃除を時短に
掃除用洗剤にたくさんの種類があるのはなぜ?
洗剤にたくさんの種類がある理由は、1つの洗剤だと色々な汚れに対応することができないからです。洗剤にはたくさんの種類があり、それぞれ含まれている成分が違います。
対応できる汚れに違いがあるのはもちろん、においや適している掃除場所などにも違いがあります。落としたい汚れや掃除を行うシチュエーションに合わせて適切なものを使用できるように、色々な種類の洗剤が販売されています。
家庭で発生する汚れには種類がある!?
家庭で発生する汚れには色々な種類があります。汚れに応じた洗剤を使う必要があるため、まずは汚れの種類について理解を深めることが重要です。
- 油汚れ
- カビ
- ハウスダスト
- 水垢
油汚れ
キッチンのコンロに多くあるのが油汚れです。時間が経過するとべたつくという特徴があり、そこにホコリが付着することで固まってより頑固な汚れになります。
水に溶けづらいという性質があるため、水拭きだけで落とすことはできません。汚れが付着してからすぐに洗剤を使って掃除をすることが重要です。
カビ
カビは家の中であれば、どこにでも発生する可能性があります。特に湿度が高くなりやすい洗面所やお風呂場はカビの温床になりやすいため注意が必要です。
こまめに水分を拭き取り、湿度を下げるように換気をしなくてはいけません。発生したカビに対しては、塩素系漂白剤によって取り除くことが可能です。
ハウスダスト
ハウスダストとは室内にあるホコリのことです。衣類や布団から出た繊維のクズやダニの死がい、花粉などが混じりあってできており、汚れの中でもすぐに溜まりやすいという特徴があります。
人の動きによって舞い上がってしまうため、注意しつつ掃除機や雑巾がけなどで取り除くのが効果的です。ハウスダストの発生を防ぐことはできないため、こまめな掃除が欠かせません。
水垢
シンクや洗面台に付着しやすいのが水垢です。水道水にはカルシウムやケイ素などのミネラルが含まれており、これが水垢の原因となります。ケイ素は鏡に含まれている成分と同じであるため、時間が経過すると強く結合してしまいます。
洗い方によってはシンクや鏡に傷がついてしまう可能性があるため、優しくこするように意識しなくてはいけません。
pH値と(掃除用)洗剤の液性の関係性とは
洗剤には「酸性」「中性」「アルカリ性」の3つの液性が存在します。液性はpH値によって決まっており、pH7付近のものを中性、それよりも低いものを酸性、高いものがアルカリ性となります。
pHは0〜14の値で表され、0に近づくにつれて強い酸性、14に近づくにつれて強いアルカリ性を示します。酸性の洗剤とアルカリ性の洗剤では、特性が大きく異なるため、用途によって適切に使い分けることが欠かせません。
酸性とアルカリ性が合わさると中性になるという特性があり、これが洗剤にも反映されています。酸性の汚れにアルカリ性洗剤、アルカリ性の汚れに酸性洗剤が使用されることが多いです。
洗剤の種類とは?
洗剤には色々な種類があります。種類によって適したシチュエーションや落とすことのできる汚れが異なるため、特性についてしっかりと理解して使い分けなくてはいけません。
洗剤は大きく以下の4つにわけることが可能です。
- 合成洗剤・洗浄剤
- 漂白剤
- 研磨剤
- エコ洗剤
合成洗剤・洗浄剤
主成分が界面活性剤の洗剤を合成洗剤と呼びます。合成洗剤よりもさらに洗浄成分が強い洗剤が洗浄剤であり、酸性、中性、アルカリ性に分類されています。
- 酸性洗剤
- 中性洗剤
- アルカリ性洗剤
洗浄力が強い一方で、肌や使用したものに対してダメージを与える可能性がある点には注意しなくてはいけません。特に、液性を間違えて使用することがないようにしなくてはいけません。
酸性洗剤
酸性の洗剤はアルカリ性の汚れを落とす場合に使用されます。水垢や石鹸のカスなどがアルカリ性の汚れです。においにも酸性やアルカリ性があり、アルカリ性のにおいとしてはトイレのアンモニア臭が該当します。そのため、アンモニアのにおい消しとしても酸性洗剤が使われます。
使用する上で酸性の洗剤と塩素系の洗剤は絶対に混ぜないようにしてください。有毒ガスが発生し、命に危険が及ぶ可能性があります。
中性洗剤
中性洗剤は素材を痛めたくない場合に使用されることが多い洗剤です。手肌に優しいという特徴もあるため、普段使い用として選ばれることが多いです。中性の汚れに対応できるのはもちろん、軽い酸性、アルカリ性の汚れも落とすことが可能です。
アルカリ性洗剤
アルカリ性洗剤は、酸性の汚れを落とす際に使用されます。アルカリ性の汚れの代表は油汚れであり、他には手垢や皮脂汚れなども該当します。
アルミ素材にアルカリ性洗剤を使用すると黒ずんでしまう可能性があり、木製品や畳などもシミができる可能性があるため使用できません。使用できない素材がある点には注意が必要です。
漂白剤
漂白剤とは色を取り除いて、色々なものを白くするための薬剤です。家庭用の漂白剤は「衣料用漂白剤」や「台所用漂白剤」など、使うべき場所が明確になっているため、間違えて購入することは少ないでしょう。
含まれている成分で分類すると、大きく以下の2つにわけることができます。
- 塩素系漂白剤
- 酸素系漂白剤
塩素系漂白剤
塩素系漂白剤は漂白力が強いという特徴があり、除菌や殺菌効果も高いです。衣料用として使われるケースは少なく、一般的にはトイレ用や台所用などが販売されています。
漂白効果の仕組みとしては色素を破壊しているため、衣類に使ってしまうと過度に色落ちしてしまいます。衣料用として使われる場合は、白物にしか使用することができません。
酸素系漂白剤
酸素系漂白剤は漂白力が塩素系と比べて劣ります。しかし、繊維を痛めることなく、汚れの色素のみを落とすことが可能という特徴があるため、衣料用としても使われることが多いです。
研磨剤
研磨剤は界面活性剤によって汚れを浮き上がらせ、磨くことで綺麗な状態を実現する洗剤です。こびりついた水垢のような汚れに効果があり、水回り全般の掃除に使用することができます。
しかし、コーティングされている材質に使用する場合は注意する必要があります。使用すると曇り止めや光沢仕上げなどがなくなってしまう可能性があるため、事前に使用可能かどうかを確認しましょう。
エコ洗剤
エコ洗剤に厳密な定義はありません。一般的には地球環境に与える悪影響が少ない洗剤をエコ洗剤と呼び、化学物質や添加物を使用していないことが多いです。化学物質によって肌トラブルを起こしやすい敏感肌の人でも使いやすい一方で、効果が他の洗剤と比べると弱い傾向にある点には注意が必要です。
掃除用洗剤を使う際の注意点
掃除用洗剤を使用する際は、複数の洗剤を混ぜないようにしましょう。基本的には注意書きに他の洗剤と混ぜてはいけないという内容が記載されています。有毒性のある物質が発生する可能性もあるため、注意書きに従って使うことを心掛けてください。
洗剤をうまく使い分けて掃除を時短に
掃除を効率よく進めるためには、汚れに応じた洗剤を使うことが欠かせません。今まで掃除に時間がかかっていた箇所も、洗剤を使い分けることができれば、大幅な時短になる可能性があります。
汚れに関する知識をつけておき、どの汚れにどのタイプの洗剤を使用すればいいか、すぐに判断できるようになるとベストです。