なかなか収まりそうにない新型コロナウイルス。
外出時や帰宅時だけでなく、せきやくしゃみをした時にもきちんと消毒を続けていきたいものですね。
ここで注意したいのが、一回当たりの「アルコール消毒液の量」。
消毒液のアルコール濃度に目を向けるのもとても大切ですが、適切な消毒をするのに十分な量が使えているかも重要ですよ。
今回はアルコール消毒液の量について解説します。
ワンプッシュはどれくらい?
普段お使いのスプレータイプやジェルタイプのアルコール消毒液について、「1回何ml出ているのだろうか」と考える機会はなかなかないですよね。
お手持ちの消毒液について見直すチャンスとしても、今一度消毒に必要な量について考えてみましょう。
「ワンプッシュ」といっても……
突然ですが、消毒液を使う時のプッシュの強さに注目したことはありますか?
容器のノズルについた押す部分に手で力を入れるもの、足で踏み込むことによって液が出るノズルタイプ……と様々ですが、これ以降お話する「ワンプッシュ量」は基本的に「しっかり押し込んだ、踏み込んだ場合の量」です。
ちょっとだけ押し込んだり、適当に踏んだりすれば、当然ですが出てくる消毒液の量は減りますよ!
一回の量を調べてみた
全日本民主医療機関連合会(民医連)が発表した報告資料「アルコール手洗い洗剤使用割合」によると、アルコール消毒液の一回当たりの量は以下のようになっているそうです。
(参考:https://www.min-iren.gr.jp/hokoku/data/hokoku_h28/houkoku_h28_15.pdf)
- スプレー式:1プッシュ約3ml
- ジェルタイプ:1回量1ml~2ml(容器サイズなどによる)
医療用機器の販売などを行うアズワンも、自社で扱うアルコール製剤について「ワンプッシュ約3.0ml」と説明しています。
(参考:https://faq.as-1.co.jp/faq/show/10618?site_domain=default)
多くの商品が使用の目安としてワンプッシュを手に刷り込み、乾燥させることを奨励しています。
それを踏まえるとワンプッシュでいいのかな、と思う反面、スプレータイプとジェルタイプで微妙に量が異なるのに、同じワンプッシュで大丈夫? と不安になってしまうかもしれません。
国際的なガイドラインは?
世界保健機関(WHO)とアメリカの疾病管理予防センター(CBC)のガイドラインでは、「10~15秒間擦りあわせた後、手が乾いた感じであれば、塗布量が不十分」と設定しています。
この基準は消毒液のタイプに左右されるものではないので、まずはお手持ちの消毒液のワンプッシュ量を手にすり込むのに15秒かかるかを試してみましょう。
- 15秒かかればワンプッシュで十分
- 15秒より先に乾いてしまったら追加する
こう覚えておけば、ご自宅のものだけでなく出先の消毒液にも活用できます。
スプレータイプは?
スプレータイプのワンプッシュ量が他のタイプよりも多いのは、スプレーされて出てくる消毒液は他より乾くのが速いから。
使った後すぐに買い物かごや商品、荷物などを触りたい出先だと、スプレータイプの方が使用されているのを見かけやすいのではないでしょうか。
とはいえ、基本的には上の基準通り15秒かからず揮発してしまったら追加する、という方法で使用すればOKです。
ジェルタイプは?
今でこそスプレータイプのものも増えましたが、コロナ禍以前のミニサイズアルコール消毒液と言えばジェルタイプの印象が強いかもしれません。
半面、大容量サイズのジェルタイプ消毒液も多く出回っているので、一口に「ワンプッシュ」と言っても出てくる量の感触を図りづらいもの。
市販品にはワンプッシュ1mLのものが多いので、心配ならなるべく2回プッシュするのがおすすめです。
手荒れを招く可能性があるので、使いすぎには気を付けて。
手指消毒は使い方にも注意!
アルコール消毒液を使った手指消毒にどの程度の量が必要なのかを理解しておくと、消毒の効率を高めて手指を清潔に保てます。
でも、正しい量を使っているから大丈夫だよね! と過信しすぎてしまうのもちょっと待って。
ツイッター発、消毒液の正しい使い方
参考にしたい使用量を投稿したのは、看護師資格を持つ芸人のみほとけさん(@mihotoke_chan)。
新型コロナウイルスの感染拡大が広がって誰もが混乱していた2020年の4月11日に、「アルコール消毒液、ワンプッシュの量、多すぎじゃない?と思う人へ」というツイートを広げました。
アルコール消毒液、ワンプッシュの量多すぎじゃない?
と思う人へ。
これは片手で”小さいアルコールの池”を作って指先を浸し、爪の間までしっかり消毒するためです。
ぜひやってみてください。
看護学部卒業生からのお知らせでした。 pic.twitter.com/igg4v3gXX3— みほとけ (@mihotoke_chan) April 11, 2020
みほとけさんのツイートによると、爪の間までしっかり消毒をするために「片手で“小さいアルコールの池”を作って指先を浸す」ことが大切なのだそうです。
みほとけさんは実際に消毒する様子を撮影した写真4枚も添付してわかりやすく解説しています。
見落としやすい部分も要注意
手洗いやアルコール消毒液では、手のひらにばかり注意がいきがち。
しかし、本当にしっかり消毒してほしいのはあまり意識していない部分です。
爪の中
特にネイルをしている場合はついつい長くなってしまいがちな爪ですが、こうなると爪と肌の間に入った細菌をなかなか取り除くことができません。
なるべく爪は短く整え、手洗いや消毒の時には意識して中まで洗うようにしましょう。
爪の下
爪の生え際にも要注意!甘皮の部分も気が回りづらいので、爪の中と合わせて指先の消毒もしっかり行うようルーティンに加えましょう。
指の間
指や手のひらよりも複雑な形状をした指の間は、見落としにくいうえ丁寧に洗おうと心掛けないと清潔に保つことはできません。
特に親指と人差し指の間は、親指をもう片方の手でつかみながらねじるように洗うことで指と合わせてきれいにしましょう。
手首
物に触れる機会は少ないよね……などと思わないで!こちらもつかんでねじり洗いをしましょう。
手指消毒はワンプッシュの量でOK?確かめてみて
せっかく律儀に消毒を心掛けても、量が少なかったり消毒の仕方が適切でなかったりしては効果が半減してしまいます。
先ほどご紹介した「15秒チェック」を活用して十分な量の消毒液を使い、こまかな部分まで意識してしっかり菌を消毒しましょう。