「新生活」が始まる季節、春。「この春から社会人になる」、「一人暮らしを始める」、という新社会人の皆さんの中には、社会人の一人暮らしがどういったものなのか分からず、不安を抱えているという人も多いですよね。

特に「お金」については、どのくらいかかるのか、どんな準備が必要なのかを知りたい人が多いのではないでしょうか。

今回はそんな皆さんの不安や疑問を解決するため、社会人の一人暮らしにかかる費用や必要な準備について解説していきます!

  1. 新卒の初任給平均
  2. 社会人の一人暮らしにかかる費用
  3. 一人暮らしを始める際にかかる初期費用
  4. まとめ

新卒の初任給平均


一人暮らしにかかる費用を考える上で、まずは生活に使うことが出来るお金がどのくらいあるのかを見ていきましょう。

日本経済団体連合会と東京経営者協会が2021年11月に発表した、2021年3月卒「新規学卒者決定初任給調査結果」の概要によると、新卒の初任給は大卒で平均約22万円とされています。

しかし、この初任給の金額がそのまま生活に使えるお金になるわけではありません。実際には、「社会保険料」や「税金」などが引かれた金額の「手取り」と呼ばれる金額で生活しなければなりません。

一般的に、手取りの金額は、給料の金額の75%~85%程度と言われています。つまり、仮に初任給が22万円であった場合は、17万円~18万円程度の予算で生活しなければならないということです。

社会人の一人暮らしにかかる費用


では、一人暮らしをするには実際にどのくらいの費用が必要なのでしょうか。

総務省が2021年2月に発表した、家計調査 / 家計収支編 単身世帯 詳細結果表によると、一人暮らしにかかる1か月の支出は約17万円とされています。

地域や生活スタイルによっても異なりますが、具体的にどのような費用がかかるのか見ていきましょう。
一人暮らしにかかる費用の主なものは以下の通りです。

  • 家賃
  • 食費
  • 光熱費・水道料
  • 交通・通信費
  • 教養・娯楽費
  • 保険・医療
  • その他

家賃

一人暮らしをする上で、かかる費用で最も大きな割合を占める場合が多いのが家賃です。住む地域や設備などによって金額は大きく異なりますが、一般的には手取りの3分の1程度に抑えることが良いとされています。

新卒の場合は手取りの金額があまり多くないことが多いので、3分の1でも生活が苦しくなってしまうこともあるので、なるべく安く抑えられると、より他の費用に回せる金額が大きくなり、生活が楽になるでしょう。

築年数が新しい物件や、駅からの距離が近い物件は人気が高く、その分家賃も高くなる傾向にあるので、家賃を抑えたい場合は、どうしても譲れない条件以外の部分で多少妥協することで、納得出来る物件を見つけましょう。

食費

家賃に次いで、生活費の中の大きな割合を占めるのが、食費です。食費については、自炊をする場合としない場合で大きく変わりますが、平均的な金額は3万5000円~4万円程度です。

しかし、自炊を全くせず、ほとんどが外食という場合は上記の金額よりもさらに高くなり、場合によっては6万円を超えることも。生活費を抑えたい場合、家庭での努力次第で金額が大きく異なるのが食費なので、出来る限り、自炊をするすることを心がけてみましょう。

光熱費・水道料

生活をする上で、欠かすことが出来ないライフラインにかかる費用が、光熱費・水道料です。

電気料金は、暖房や冷房の使用頻度にも影響を受けるので、季節によって大きく異なりますが、一年を通した平均の金額は4500円程度です。こまめに電気を消すことや冷暖房をつけっぱなしにしない、ということを意識するだけでも料金に変化が見られるので、日々の小さな積み重ねが大切になります。

ガス料金は、プロパンガスか都市ガスかによって大きく異なりますが、平均すると3500円程度です。プロパンガスだと、上記金額よりもさらに高くなる傾向にあり、都市ガスだと安くなる傾向にあります。ガスの種類は物件によって決まっているので、物件選びの段階で注目してみると良いでしょう。

水道料金は、浴槽にお湯を溜めて入浴する頻度によっても異なりますが、およそ3000円程度である場合が多いです。こちらも洗い物や入浴の際に水を出しっぱなしにしないなどの意識が大切になります。

上記の「電気」、「ガス」、「水道」を合わせると、およそ1万円程度になります。

交通・通信費

通勤や普段の移動にかかる交通費は、利用する交通手段によっても異なりますが、通勤にかかる費用は会社から支給する場合が多いです。

しかし、普段の移動で自動車を利用する場合は最低でも約3万円程度かかります。費用を抑えたい場合は、利用頻度や必要性に応じて、カーシェアリングなどを利用するのも一つの手段になります。

スマホやインターネットの利用にかかる通信費も現代社会での生活においては欠かせないものになっています。約8000円~1万円が平均的な金額ですが、格安SIMなどを上手に活用することで、さらに費用を抑えることが出来ます。

また、インターネットの設備が整っており、利用が無料の物件もあるので、こちらも物件選びの際の参考にしてみて下さい。

教養・娯楽費

社会人としての学びや自身の趣味にかける教養・娯楽費は、人によって変化が出やすい費用のため、意識次第で増やすことも減らすことも可能です。生活の状況に応じて、使い過ぎていないかを確認すると良いででしょう。

保険・医療

病気や怪我をして病院に通うことになった場合に備えて、医療保険に加入するという人も多いですよね。年齢が若いうちは、病気や怪我の可能性が低いと判断されるため、保険料が安くなる傾向にあります。

補償内容や補償金額のもよりますが、3000円程度で抑えることも可能です。自身のニーズに合わせて、料金と内容のバランスを見て選ぶと良いでしょう。

その他

毎月計算できる出費に加えて、予期しなかったイベントや、必要になるもがある可能性があります。そういった場合に備えて、毎月少し余裕を持たせておくと良いでしょう。

一人暮らしを始める際にかかる初期費用


毎月かかる生活費とは別に、一人暮らしを始めるにあたって初めにかかる費用も存在します。
一般的には、家賃の約4~5ヶ月分の金額が一人暮らしの初期費用として必要になると言われています。

一人暮らしの初期費用の主なものは以下の通りです。

  • 敷金
  • 礼金
  • 仲介手数料
  • 保証会社利用料
  • 火災保険料
  • 鍵交換費用
  • 前家賃
  • 日割り家賃
  • 家具・家電

敷金

敷金とは、物件を借りるにあたって、大家さんに預けておく補償金のようなもので、家賃の1か月分~2か月分が相場です。家賃の滞納があった場合や、退去時に修繕箇所があった場合に使われます。

敷金はあくまで預けるお金なので、退去時に家賃の滞納が無く、修繕費用がかからない場合は、返金されます

礼金

礼金は、入居するにあたって、大家さんへの感謝の気持ちを込めて渡すお金です。現在では物件の数が多くなりましたが、今よりも物件の数が少なかった時代に、入居させてくれることへの感謝として支払われていたものが現在も慣習として残っているのです。

礼金も家賃の1か月分~2か月分が相場ですが、退去時に返金されないという点が敷金との大きな違いです。

仲介手数料

仲介手数料は、物件の紹介や書類の作成など、お部屋探し全般のサポートに対する料金として、不動産会社や仲介会社に支払うお金です。仲介手数料は「家賃の1か月分+消費税」が一般的ですが、不動産会社によって異なり、中には半額や無料の会社もあります。

また、不動産会社や仲介会社を通さずに、大家さんと直接契約する場合は、仲介手数料はかかりません。

保証会社利用料

保証会社利用料は、家賃滞納があった場合に入居者の代わりに家賃を支払う保証会社を利用するためのお金です。以前は連帯保証人のみで契約できる物件も多かったですが、最近では保証会社を利用することを契約の条件にしている物件が増えています。

初回契約時に家賃の1か月分程度を支払い、その後1年ごとに1万円程度で契約を更新するパターンが多いです。

火災保険料

火災保険料は、火事などで建物や家具が燃えてしまった場合に保証してくれる保険を利用するためのお金です。契約の際に火災保険への加入が義務とされていることがほとんどで、大家さんや不動産会社、仲介会社が指定している火災保険を勧められることが多いです。

補償内容によって異なりますが、相場は1万~2万円です。

鍵交換費用

鍵交換費用は、前の入居者が使用していた鍵を新しいものに交換するための費用で、セキュリティを強化するために必要なお金です。交換せずに入居できる場合もありますが、その場合前の入居者が合鍵で入室できることになってしまうので、不安ですよね。

鍵交換費用の相場は1万円~2万円ほどなので、セキュリティ面を考えると交換することが望ましいです。

前家賃

前家賃は、入居翌月分の家賃です。家賃の支払いは前払いが基本なので、契約時に入居翌月分の家賃も支払う場合が多いです。

家賃の1か月分を支払う物件がほとんどですが、入居日によっては、入居月の家賃のみで良い場合もあるので、契約時に確認しましょう。

日割り家賃

日割り家賃は、入居日が月の途中である場合に、家賃を月の日数で割り、実際に入居する日数分の家賃を支払うものです。物件によっては入居日に関係なく、1か月分の家賃を求められる場合もあるので、注意しましょう。

また、入居月の数日分の家賃については交渉次第で無料にしてもらえる場合もあるので、契約の際に確認してみましょう。

家具・家電

家具や家電を一から全て新品で買うと、ブランドやグレードにもよりますが、場合によっては数十万円になることもあります。引っ越しシーズンに量販店で「新生活セット」などで安く売られていることが多いのでそういった割引も活用しましょう。

また、特にこだわりがない場合は、中古品などを安く手に入れたり、無料で譲ってもらうというのも一つの手段です。物件選びの段階で家具・家電付きの物件を探すのも初期費用を抑えることに繋がりますね。

まとめ


いかがでしたか?今回は社会人の一人暮らしにかかる費用や準備にかかる初期費用について解説してきました!それぞれの生活スタイルに合わせて、賢く節約して新生活を快適なものにしましょう!