「竹酢液(ちくさくえき)」をご存知ですか?
その名の通り竹を原料にした酸性の液で、生活に役立つ様々な効果を持つことから、古来より色々な場面で使われてきたものなのです。
今回は竹酢液の効果や製造方法、日常生活での使い方など、現代ではあまり馴染み深いものではない竹酢液の魅力を徹底解説します。
竹酢液とは
竹酢液は、竹炭を生産する時に出る排気ガスを集め、冷却することで液化させたものです。
同様に作られる「木酢液」のひとつです。
木酢液とは?
木酢液(もくさくえき)は、上でご説明したように木材や竹材を炭にする目的で蒸し焼きにした時に出る排気ガスからできる液体。炭焼きの副産物として有名です。
原液は赤褐色や暗い褐色をしており、蒸し焼きにした原材料に由来する酢酸などの有機酸が含まれています。酸性を示すのはそのためです。
竹酢液の成分は?
竹酢液は90%以上が水分で、残りの10%ほどが有機化合物となっています。
その約10%の有機化合物のうち半分が「酢酸(さくさん)」と呼ばれるお酢の成分。残りは以下の通りです。
- アルコール類
- ポリフェノール類
- 蟻酸(ぎさん)
- アルデヒド成分
- 炭素粒子
ろ過・精製前はタール分を含む
竹酢液に限らず、適切な処理をする前の木酢液は「タール」を含んだ状態です。
タールは有機物質が熱分解されることによってできるので、蒸し焼きという作り方からどうしても生まれやすくなります。
竹の場合は他の木酢液よりもタールが少ないと言われているものの、400℃を超えると出てくるタールの比重が重めになります。
市場に出回るものはしっかり寝かせたり、蒸留したりすることでタールを最大限取り除けるようにされているので、安心して使うことができるでしょう。
竹酢液にはどんな効果があるの?
研究が進んでいるものの、竹酢液の効果にはまだまだ未知の部分が多いようです。
- 200種類以上と多くの成分を含んでおり、どの成分がどの効果に有効に働いているのか特定が困難
- 産地や製法によって成分の組成が異なる
今後の研究が大きく躍進すれば、竹酢液が今よりも市場に多く出回る可能性も期待できます。
殺菌効果・消毒効果
酢酸を始め、竹酢液には色々な殺菌・抗酸化物質が含まれています。
有機農業の現場では希釈して病害虫の防除などに使われていますし、消臭や人間の軽い傷の消毒のような形でも古くから使われています。
温熱効果
含まれる成分に温熱を体の芯まで届ける効果があります。
土壌改良効果
土中の有用な微生物を増やして堆肥の発酵を促進する効果や、植物の生長を促進させる効果があるため、農業によく活用されます。
竹酢液の使い方
竹酢液の使い方はさまざま。
殺菌効果を期待して使うこともありますが、医薬品ではないため肌や体のコンディションが悪化した場合は必ず使用を中止し医師の診療を受けましょう。
- お風呂に入れて使う
- 夏場の虫よけに
- 消臭に使う
- 消毒・殺菌に使う
- 観葉植物の虫よけに
- 家庭菜園の有機栽培に
お風呂に入れて使う
湯冷めしにくいことから入浴剤としての使用が人気です。
湯上り後もポカポカ感が続くことに加え、肌がツルツルになったという口コミやアトピー性皮膚炎のかゆみが収まったというケースもあるようです。
独特の香りは好き嫌いが分かれるかもしれませんが、クセになると好む人も多いですよ。
夏場の虫よけに使う
アブや蚊などを意識してしまう夏場も竹酢液が活躍します。
既定の使用料を守って希釈し、体やお部屋の網戸などにスプレーすることで害虫対策が可能です。
消臭に使う
生ゴミやペットの糞尿など、ニオイが気になるところに希釈したものをスプレーすると酢酸が働いて発酵臭を押さえます。
竹酢液そのものの独特な匂いが気になる場合は、使用方法の説明などに記載されている目安よりも薄めて使い始めるのがよいでしょう。
消毒・殺菌に使う
虫刺されや切り傷につけたり、水虫に使用したりすると効果があるとされています。
つけすぎないよう綿棒に染み込ませ、1日あたり2回~3回ほど塗るのがよいでしょう。
コップ一杯の水に竹酢液を数滴たらした液でのうがいも民間療法として知られています。風邪予防や口内炎、歯周病の予防が期待できます。
観葉植物の虫よけに
防虫効果を観葉植物にも生かせます。
家庭菜園用よりも薄めに希釈してスプレーで吹き付ければOK。
害虫を防ぎながら、植物を生長させ生き生きとした状態を保てるのがうれしいですね。
家庭菜園の有機栽培に
竹酢液は有機栽培の強い味方です!
適切な濃度に希釈して葉面や土壌に散布することで、以下のような効果が見込めます。
- 害虫や病害菌の発生を抑える
- 土の中にいる微生物を繁殖させて植物の成長を活性化する
- 小動物を撃退する
農薬を使わずに不安要素から作物を守れるので、オーガニックの野菜やお花が楽しめますよ。
竹酢液を使う時に気を付けたいこと
竹酢液は便利なものですが、皆さんや周りの人の健康のためにも使用時には気を付けてほしいポイントが3つあります。
- 希釈濃度は守る
- 肌に使う場合はなるべくパッチテストをする
- 異常があればすぐ病院を受診する
希釈濃度は守る
竹酢液は希釈して使用することがほとんど。特に家庭菜園や観葉植物に原液で使ってしまうと、成分が強すぎて逆に悪影響を及ぼすおそれがあります。
商品パッケージや説明書、販売元サイトなどに記載された希釈濃度を必ず守って使いましょう。
使用用途ごとに適切な濃度は違うので注意!
なるべくパッチテストをする
先ほどもお話しましたが、竹酢液は医薬品ではありません。
消毒やスキンケアなどを目的に肌やお顔に使う場合、必ずパッチテストを行いましょう。
パッチテストの方法
皮膚テスト用のフィルム「パッチテスター」を使います。
- 竹酢液をほんの少しパッチテスターにつける
- パッチテスターを二の腕の内側に貼りつける
- 48時間(約2日)放置する
- 時間が経過したらパッチテスターを外し、テスターの刺激が消えるまで20分~30分ほど待つ
- 説明書に従って測定を行う
保健体育の授業などでアルコールのパッチテストをした経験がある方もいらっしゃるかもしれませんね。
竹酢液が触れていた部分に赤みや腫れがあった場合は、肌への使用を避けましょう。
植物やモノに使う時もゴム手袋をするのが適切です。
異常があればすぐ病院を受診する
かぶれや腫れのような症状が出たり、赤みやかゆみが引かなくなってしまったりした場合は、必ず皮膚科を受診し専門家の診察・治療を受けましょう。
竹酢液の効果を生活に活かす
天然成分の竹の力を借りているからこそ、生き物に優しく使いやすい竹酢液。
様々なシーンで生活の「ちょっと困った」を解決してくれるアイテムです。
今後専門機関での研究がさらに進んでいけば、抗ウイルスの用途でも活躍するようになるかもしれないとのこと。
毎日に竹酢液を取り入れて過ごしてみるのはいかがでしょうか?