もうすぐ4月、暖かい日も増えてきましたね。
ポカポカ陽気はうれしいですが、さらに気温が上がってくると気になるものが生ゴミの臭い。
独特のイヤ~な臭いは気分が滅入ります。
かといって片付けを後回しにしてしまうと、さらに臭いがひどくなる悪循環。
こんな事態を防ぐために、今回はゴミ箱についてしまった臭いの取り方や生ゴミの処理について説明します。
イヤな臭いの原因は微生物
ゴミ箱の悪臭の原因は、生ゴミを好む微生物の活動。
食用の魚や肉、野菜などからなる生ゴミは、微生物にとってのエサにもなるのです。
イヤな臭いが発生するのは、ずばり微生物が生ゴミをエサにして増殖するため。
「好気性」と「嫌気性」
生ゴミをエサにする微生物は「好気性微生物」と「嫌気性微生物」に分かれています。
「好気性微生物」は酸素がある状態を好むもの。有機物を水と二酸化炭素へと素早く分解していきます。
いっぽう「嫌気性微生物」は分解速度が遅く、乳酸菌などの働きで有機物の体積も減りづらいのが特徴。
イヤな臭いにつながる原因は、こちらの「嫌気性微生物」です。
悪臭を生む微生物が好む条件
悪臭の原因となる「嫌気性微生物」が好むものは、以下の3つ。
- 有機物
- 水分
- 酸素がない状態
生ゴミを捨てる時、ビニール袋などで密閉することが多いですよね。
しかし密閉された生ゴミは「酸素が薄い」場所にありますし、かつ「有機物や水分を多く含み」ます。
暖かい時期であれば、当然「温度が高い」という条件も満たします。
ですので、微生物が活発に繁殖するにはうってつけの環境となってしまっているのです!
施設などでの生ゴミ処理には有効だけど…
大量の生ゴミが出る学校やホテルの厨房などには、この微生物を利用した生ゴミ処理機が取り入れられ始めています。
生ゴミの減量や廃棄手順の削減にもつながるエコな仕組みですね。
ただ、毎日ゴミの処理ができるわけではない一般家庭にとっては、生ゴミの微生物が困りもの。
ここから下では、
- 対処療法
→お掃除でゴミ箱についてしまった臭い取り - 原因療法
→生ゴミを捨てる時の臭い対策
について、それぞれ確認していきましょう。
ゴミ箱についた生ゴミの臭いをとるには?
専用消臭剤や漂白剤での拭き取りなど様々な方法が知られていますが、最も効果的なのはやはり丸洗い。
重曹やクエン酸を使ってゴミ箱を洗浄
自然にやさしい重曹
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クエン酸の激落ちくん 粉末タイプ
引用:www.amazon.co.jp/dp/B07CMQN7TY
重曹は弱アルカリ性、クエン酸は酸性の物質。
生ゴミの臭いの元となる酸性やアルカリ性の成分を重曹やクエン酸で中和して消臭することが可能です。
家庭に常備してあるものなど、用意しやすいアイテムをゴミ箱掃除に活用してください。
臭いが取れる!ゴミ箱の洗い方
ゴミ箱掃除の手順は以下の通りです。
- ゴミ箱にフタなどパーツがある場合、取り外せるものなら外してゴミ箱の中に入れておく
- 重曹orクエン酸をゴミ箱に入れる
ゴミ箱のサイズにもよりますが、重曹であれば大さじ4程度、クエン酸なら1カップくらいがめやす。 - ぬるま湯を入れて重曹orクエン酸を溶かし、30分ほど漬け置きする
- お湯を捨て、ゴミ箱の中の汚れをブラシやスポンジなどでこすり洗いする
ガンコな汚れには家庭用洗剤を使っても○。 - 水ですすぎ、日光の下で乾燥させる
特に難しい工程はありませんので、時間がある時には日頃のお掃除にプラスして取り組めそうですね。
ひと手間でもっとキレイに
さらに効果を高めるポイントが2つあります。
ゴミ箱を掃除する際に意識して、イヤな臭いを取り除きましょう。
- 室内よりも天日干し!
- 乾いたらアルコール製剤などで拭き取り!
室内よりも天日干し太陽光線に含まれる紫外線には消毒効果があります。
菌やウイルスを不活性化させることができ、大腸菌や腸チフス菌など感染症につながるものへの効果も立証されています。
ゴミ箱のお掃除は晴れの日を狙って行い、洗い終わったらしっかり天日干ししましょう。
紫外線の量が多いのは10時〜14時なので、日光消毒はこの時間内にするのがオススメ。
また、季節によって紫外線の強さや日照時間は違います。
夏場は1時間〜2時間、冬場は2時間〜3時間程度当てるのが○。
アルコール製剤などで拭き取り
日光でしっかり乾かしたら、仕上げとしてゴミ箱をアルコール製剤などで拭き取りましょう。
日光消毒と併せてより除菌効果をアップさせることができます。
生ゴミの捨て方にも工夫を
生ゴミは毎日の生活で必ず発生するもの。
せっかくゴミ箱をキレイにしても、生ゴミ処理の方法を変えなければイヤな臭いはまたついてしまいます。
「嫌気性微生物」が活性化する条件は、以下の通りでしたよね。
- 有機物
- 湿気
- 酸素がない状態
このうち「有機物」については、生ゴミそのものが有機物に該当するため防ぎようがありません。
「湿気」「酸素量」のどちらかの条件を取り除き、適切に生ゴミを捨てて臭いを対策しましょう。
効果的な専用グッズもご紹介します。
ビニール袋の使い方を見直して
生ゴミをビニール袋やポリ袋に入れて捨てる時は、なるべく袋の中の水分を残さないように気を付けてみましょう。
生ゴミ処理の回数=キッチンに立つ回数に
夏の暑い時期など特に臭いが気になる時期は、調理のたびに袋を用意するのもおすすめです。
発生した生ゴミをその都度袋にまとめて、調理が終わったらそのまま袋の口を閉めて密閉した状態でゴミ箱に捨てます。
キッチンに生ゴミを残さず、においを抑えることができる方法です。
三角コーナーをシンクに置かない
水分は湿気につながり、生ゴミの原因となる菌の活動を活発化させます。
できるだけ水がかかりづらい位置に三角コーナーを置いて、調理や食器洗いの際に水がかからないようにしましょう。
新聞紙に包んで捨てる
新聞紙が生ゴミから出た水分を吸い取ってくれます。
新聞紙に包んだ生ゴミをビニール袋で密閉すれば、さらに臭いをシャットアウト。
環境省が公開している「悪臭対応参考事例集」にも、専門事業場が生ゴミを回収する際に悪臭対策として新聞紙を使用していることが書かれています。
捨てる日まで冷蔵庫や冷凍庫に保管する
生ゴミをビニール袋に密閉し、捨てる直前まで冷蔵庫や冷凍庫で冷やすことで、菌の活動を減らし臭いを軽減します。
こちらも環境省の「悪臭対応参考事例集」の中で事業場の取り組みとして報告されています。
重曹やクエン酸で対策
上でもご紹介した重曹やクエン酸は、生ゴミに直接かけても効果を発揮します。
三角コーナーやゴミ箱の生ゴミに振りかけて臭いを抑えましょう。
専用の消臭剤やスプレーを使う
脱臭炭 ニオイとり紙脱臭剤
引用:www.amazon.co.jp/dp/B0877GTW3C
消臭力 生ゴミ用スプレー消臭剤
引用:www.amazon.co.jp/dp/B017I9PIJS
生ゴミの袋に入れる紙タイプや、三角コーナーやゴミ箱に使用するスプレータイプの消臭剤も販売されています。
用途に合わせて商品を選びましょう。
ちょっとした工夫で嫌な臭いとサヨナラ
イヤ~な生ゴミの臭いも、日頃の対策をきちんと行えば十分和らげることができます。
おっくうだからとほったらかしにせず、ゴミ箱を定期的に清掃してキレイに保ちましょう。
生ゴミの捨て方にも気を配れば、さらに効果的。
悪臭とは無縁のキッチンで楽しく調理しましょう!